天に向かう屏風のクリエイティビティ-1
「屏風」という言葉から連想する景色。それは畳敷きの広間に金箔を貼った大きな折り畳み式の絵が音もなく立っている姿だろう。そしてその職人というと、多くの日本人には、薄暗い静かな部屋で老人が作業着姿で、黙々と座って絵を描いたり、紙を貼ったりしているイメージが強い。そもそも日本の屏...
なぜ本藍染は魅力的なのか?
「青は藍より出でて藍より青し」ということわざがある。これは、「師匠から学んだ弟子がついに師匠を追い抜く」という意味で使われる喩えだ。学校ではそう習ったものの、実は藍がどのような染物でどんなふうに染められるかを知っている人は少なく、このことわざの本当の由来を知らないで使ってい...
美しく年を重ねるお婆ちゃんの着物たち
徳島県で古い着物を使って家具や小物、衣装を作っている大野留美さんは、「思い出ビジネス」を営んでいる。思い出の着物が家具やマット、木箱の一部に組み込まれている。この着物、実は亡くなったおばあちゃんが昔来ていた着物。箪笥の奥に眠っており、今着るには生地が古すぎるし、だからといっ...
手作り米麹ベースのあまりにも美味しいナチュラル調味料
「日本で最も美しい村」の一つ、群馬県昭和村の2月半ばは一面の銀世界。夏に訪れた際に広がっていた緑の野菜畑はすべて純白の雪に覆われていた。北海道かと見間違えるくらい雪景色は広大で静かで、そして美しい。合間にシルキーブルーの空も見え隠れし、真っ白な畑との詩的なコントラストを紡ぎ...
泥から花へ、れんこんピクルス誕生物語
スペインのアーティスト、ジョアン・ミロ(1893-1983年)は、まるで音楽を奏でるかのような華やかで軽やかな抽象画を描いた。そのミロの絵をれんこんのピクルスで実現したいと思ったのが「花れんこん」誕生のきっかけだった。花れんこんは、色白でシャキシャキ感が特徴の鳴門れんこんを...
能楽師が伝授する「素人でも能を楽しめる方法」
およそ650年以上の歴史を持つ、日本の伝統芸能であり重要無形文化財でもある能楽。能という言葉を聞けば日本人なら、霊妙な空気が漂う能楽堂や大きな松が描かれた舞台、そして、凛とした能楽師の立ち居振る舞いくらいまでは思い浮かべることができるだろう。一方で、能楽堂に足を運び、能の精...
今でもさぬきうどんに夢中
病気の時や体が弱っているとき、私は迷わずうどんを食べる。病人食といえば胃にやさしいおかゆが常なのだが、私は断然うどんだ。なぜかというと、私は「うどん県」ともいわれる香川県の出身だから。高校を卒業するまでほぼ毎日うどんを平均2-3回食べていた。こういうと、親しい友人でも驚く。...